企業・業界研究

【就活のための企業研究】やり方やポイントについて

就活を始めるときにまず取り組むのが「自己分析」、そして「業界研究」「企業研究」です。

就活においては“就活のハウツー”を学んでおくことも大切ですが、何よりもどういう自分になりたいのかということを表現する力(コミュニケーション能力)が問われています。

「コミュニケーション能力」とは、「理解する能力」と「説明する能力」です。

企業研究をする目的は、その会社を理解することで、それはエントリーシートを提出する時や、面接の際に説明する力となってみなさんを助けてくれます。

企業研究とはどういうもの?

企業研究は、志望する会社のビジネスを理解するために行います。

どの会社に応募するか決めたり、志望する会社の内定をもらうために必要な作業です。

例えば「この会社はどんなビジネスをしているんだろう?」という視点で見ると、将来自分がどのようなビジネスに携わることになるか分かります。

また、「この仕事に必要な素質はなんだろう?」と考えることも大切です。

企業研究を生かすために大切なこと

企業研究は、やればやるだけその会社のことを深く知ることができます。

でも、情報をたくさん仕入れただけでは上手く生かすことができません。

自分はこの会社でどんなことがしたいのか、自分はこの会社で働いてどんなふうになりたいか、という「自分の意思」を持つことがとても大切です。

自分が行こうとする業界と会社をよく知った上で、自分を主張することが求められています。

大企業と中小企業はどっちがいい?

学生さんなら、聞いたことのある大企業を選ぼうとすると思います。

証券取引所に上場しているような大企業は「安定感」があります。

倒産する可能性は低く、働くルールがきちんと整備されていて、給料などの待遇も平均値を超えています。

また、大企業なら内部に数多くの職種を抱えているので、採用した後に本人の性格や向き不向きを考慮して配属先を決め、数年ごとに配置転換して適性を育てる、というキャリア形成の方法を取ることができます。

中小企業の場合、大企業と比べると「会社の質」はであり、大企業のように「中小企業はこうですよ」と平均化して見ることはできません。

中小企業は差が激しいので、個別に見る必要があります。

しかし、良い企業を見極める共通項はあります。

創業して何年たっているか、過去数年の営業利益率はどのくらいか、中長期の会社の経営方針があるか、社員の平均勤続年数はどのくらいか、そして、社長さんが魅力的な人物かどうかといったことが大事です。

企業研究のやり方

企業研究を行う手順として、次のような方法があります。

①エントリーシートを早めに入手する

②会社との接点を探す

③会社情報を入手しながら分析する

④エントリーシートを書いてみる

OBOG訪問しながらエントリーシートをブラッシュアップする

それでは①②③④⑤のポイントを説明していきます。

①エントリーシートを早めに入手する

特に人気企業を受ける場合は、過去のエントリーシートを入手して、その企業に内定するための対策を行うことが大切です。

早く入手しておくと、エントリーシートに企業からの設問がある場合、その設問のポイントに沿って企業研究を進めることができます。

②会社との接点を探す

エントリーシートを読んで企業が求めているものを掴んだら、次はその会社との接点を探します。

実際に店舗がある企業なら足を運んでリサーチします。

店舗がない企業でも、ホームページなどから何とか接点がないか探してみましょう。

その企業が扱っている材料をもとにした商品が何かあるはずです。

ネットで調べるだけでなく、行動して自分の目で見て確かめることが大切です。

③会社情報を入手しながら分析する

会社情報には、会社が発信している情報と、会社以外が発信している情報の2つがあります。

会社が発信している情報で、ホームページから得られるのは次のような情報です。

【会社が発信している情報】

1. 決算説明会資料

その年の売上高や利益、損失、前年度比などが分かります。

多くの企業は「投資家情報」などのページから見ることができます。

2. アニュアルレポート

国際的な優良企業の場合、外国人投資家向けの報告書が用意されています。

ビジネス情報や業績を英語でまとめたものです。

アニュアルレポートの良いところは、リアルタイムの業界情報やその企業の戦略が分かるところです。

有価証券報告書は法定書類なので内容が固めですが、アニュアルレポートは投資家向けのものなので分かりやすいという特徴があります。

3. CSRレポート

CSRレポートは、その会社がどのような社会的責任を果たしているかということをまとめたレポートです。

CSRレポートを読むと、企業が何を大切にしてビジネスを行っているかという「ビジネスにかける想い」を知ることができます。

CSRレポートは「サステナビリティレポート」「社会・環境報告書」という名前の場合もあります。

4. 有価証券報告書

有価証券報告書は、事業年度ごとに作成する、企業内容を外部へ報告する資料です。

どの会社も決算時に報告書の提出が必要ですが、証券取引所に株式公開している会社は、事業年度終了後、3ヶ月以内に金融庁へ有価証券報告書の提出が義務づけられています。

報告書の内容は多岐に渡り、企業情報や事業の状況、設備の状況、株式の情報、経理の情報などが含まれます。

有価証券報告書を見ることで「会社の持っている土地や建物などの財産」「展開しているビジネス」「大株主は誰か」「儲かっているかどうか」などを知ることができます。

5. ニュースリリース

新規事業やイベントのお知らせなど、企業が多くの人に知ってもらいたいことがあれば、ニュースリリースを作成してマスコミに送ります。

新聞記事で企業が取り上げられたときは、その企業からニュースリリースが発行されていることが多いので、記事の内容を詳しく知りたいときはホームページを確認してみましょう。

6. その他ホームページ情報

その他の情報として、会社概要では会社の歴史や組織の概要を知ることができます。

会社の成り立ちを知っておくこともとても大切です。

製品情報は、その会社が販売している商品の内容や製品の特徴が紹介されています。

競合他社のホームページと見比べると、その会社の売りや特徴を知ることができます。

志望する1社だけでなく、競合他社のことも調べておきましょう。

次に、会社以外が発信している情報についてです。

【会社以外が発信している情報】

1. 日本経済新聞

会社や経済状況を知るためには日本経済新聞がおすすめです。

内容的に難しいことが書かれていますので、自分が気になる企業に関係のある記事を収集し、時系列に並べていくと、その会社がどのようなことをしているのかが見えてきます。

2. 書籍、ビジネス情報誌

書籍やビジネス情報誌を活用することで、効率的に情報を入手することができます。

業界の全体像が知りたい方は『日経業界地図』がおすすめです。

業界上位企業の売上や営業利益、従業員数、また、業界の規模や競合他社の状況も知ることができます。

ビジネス情報誌は『週刊ダイヤモンド』『週刊東洋経済』などがあります。

会社が公開している情報とは別の立場と視点で書いているので、その会社のビジネスを理解するのに役立ちます。

企業選びに役立つ記事も載っています。

書籍は、会社名で検索して、その会社の経営者などによる本が出版されていれば読んでみましょう。

3. ネットの情報

「企業価値検索サービスUllet」では、上場企業4,000社の会社内容を検索できます。

様々な情報がグラフや表を使って分かりやすく表示されているのでおすすめです。

他社比較のページでは、業界上位の2社を比較したグラフを見ることができます。

http://www.ullet.com/

4. テレビ

テレビで情報を得ることもできます。

おすすめの番組は、日経スペシャル「カンブリア宮殿」(ニュースが伝えない日本経済を、経済人を迎えて語る番組)、日経スペシャル「ガイアの夜明け」(経済ドキュメンタリー番組)です。

④エントリーシートを書いてみる

ある程度会社の情報が集まったら、エントリーシートを書いてみます。

何度か書き直すことを想定して、まずは自分の頭の中にある言葉や調べた情報をもとに一度書き出してみましょう。

OBOG訪問をしながらエントリーシートをブラッシュアップする

OBOG訪問する前に会社のことを調べておいてエントリーシートを書いておけば、訪問の際にしっかり質問することができます。

もし、エントリーシートを見てもらうことができれば、その会社に入るための的確なアドバイスがもらえるでしょう。

そうしてエントリーシートをブラッシュアップしていくことで、その会社にふさわしい自己PRや志望動機を作り上げることができるのです。

まとめ

企業研究のやり方やポイントをご紹介してきました。

就活ではリクナビ、マイナビといった就活情報サイトを利用することが多いと思います。

サイトで紹介されている「会社情報」は誇張されていることもありますし、都合の悪い情報が反映されていません。それだけを見て入社すると、入社前に見えていたものと全く違う!ということになりかねません。

データや企業以外が発信している情報も参考に、納得できる企業選びをしていただけたら幸いです。業界別の企業研究のポイントを別の記事でお伝えしますので、ぜひそちらも参考にしてください。